にこまる

彼は私を見るたびに
「いいよなあ～」と言っていました。
何が「いい」のか定かではありませんでしたが、彼から見て
私は悩みの少ないタイプにうつっていたのかもしれませんね。

最初は軽く受け流す事が出来ていたのですが
言われ続けていくうちに「何故、自分の事には目を向けないの？」
という気持ちに変わっていきました。

私からすると、彼を見ていて「いいなあ～」と思う要素は沢山ありました。
「諦められないから」
といって会社をやめ、資格を取り今は立派に夢を実現している事。
その事に関してひたむきな努力が出来る事。

私には到底出来ることではありませんでした。

「私ばかりをいいなと言っても仕方ないし、私だって貴方を見ていて羨ましく思うことはあるよ」
そういったとき、彼は少し驚いたような顔をしました。

互いに気がついていない「いいな」の部分。
それは自分が持っていないからこそ抱く感情なんですよね。
だからこそ惹かれあった。
だからこそ補い合える。
そう考えてみると、「支えあっていこう」「フォローし合って行こう」という気持ちになれました。

自分の事って自分自身では見えにくい部分。
だからこそ、相手に教えてもらって自分の魅力や影響力を知っておく事も必要な気がしています。